「行け」
その水球はゆっくりだが次第に加速し、狼の群れを押しつぶした。うっぷ、こっちにも水が飛んでくる。
「燃え移るから火はダメだといいましたが、これこないだ教えた奴じゃないですか。ぶっ放さないでくださいよ
加州健身中心」
「ついやっちゃうんだ」
Mのハンバーガー屋の道化のようにおどけてみせるシャーロット。ただし無表情。
「これは迂回しないとダメですね
紅酒網購。全く、あなたがEならもっと上のランクはどれだけなんですか」
「先輩はもっと凄いわ。あの人に憧れて私は魔導士になったの」
どんだけだよ・・・・・・。
仕方なく、クレーターと局所的な豪雨によって池が出来たような場所を迂回しながら俺達は馬車と合流した。
「おかえり、ユキト、シャーロット。あれのほかにも伏兵が居たけど、問題なく片付いたわ」
流石に足を止めなくちゃいけなかったけど
Hong Kong Tour。と続けるレイラ。
「そろそろBランクだし、それくらいになれば短距離なら二本足でも四本足に追いつけるわ。4匹居たけど全員無事よ」
「それは良かった。こちらはシャーロットの悪い癖が出ちゃいまして。しばらくここを通る人には悪いことをしちゃいました」
「あらら、ダメよ、シャーロット。あなたそれで苦学生やってたんじゃないの」
「反省はしているけど後悔はしてないです」
「魔法となると目の色変わるから仕方が無いわね・・・・・・」
俺より付き合いの長いレイラですら諦めムードだ。パーティが組めない理由ってこれじゃないか?
見た目は悪くないんだよ。赤毛を腰まで伸ばして末端で一括りにし、やや童顔で眠そうに目じりを下げているジト目系。体つきも平均より上じゃないかな?抱きつかれた印象では。
それでも討伐証ごと消し飛ばしてしまったりするから乱戦になりかねない大人数を相手にするならそれでも構わないが、少人数を相手にするにはオーバーキル だ。一番火力の低い火の玉でさえ表面をこんがり焼いてしまう。おまけに魔力を抑えるのが逆に魔力を食うことになり、さっきのような大規模魔法の方が燃費が いいのだとか。まあ、ウォーターカッターは教えた中でも低燃費で一瞬だけ射出すればあまり毛皮にも傷が付かないため、改善の余地はあるのだが。
「シャーロットの魔法は今後改善していくとして、進みましょうか。そろそろ追いつくのに速度を出さないといけなくなって来ました」
「そうね」